Feel Like Makin' Love
分析なんて、すごく久しぶりな気がする。
大変お待たせしました。そしていつも気まぐれで、申し訳ありません。
コーヒー屋で、最近のんびりと考えながら朝食をとるんですよ。たまたまスピーカーの下に座ると、僕の大好きな歌がたくさん頭に飛び込んできて、すこし元気が出なかったりするときも、力が生まれてくる。
いろんなひとが歌ってるこの曲は、僕自身にはロバータ・フラックのそれで刻まれています。
- アーティスト: Roberta Flack
- 出版社/メーカー: Atlantic / Wea
- 発売日: 1992/09/15
- メディア: CD
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子供の頃から家のラックにこれがあったことは、すごく幸運だったと感じるくらい素敵な曲なんだけど、先日の朝は、一度も聴いたことのないバージョンが流れてきた。今日も例によって、移動ドというかハ長調で書いてみますね。こんな感じで、よく知ってるメロディが歌い出されたんです。
Dm9 G7sus4 CM7 Em7 A7
ドドミミド、ドレミレドレ、ミーみたいな節が、テキストじゃ表現しづらい絶妙なリズムで飛び出す!
すこし頑張ったら表現できるかな、最初の2小節はこんな感じ。
・・・・ドードミーミドー・・・・ ・・・・ドレーミーレードーレーミ
Dm7にミが乗って現れる最初のマイナー9thコードは、ある意味メジャー7thコードにもよく似た魅惑の響き、半音の緊張。ここではAm7が重なっているように聴こえる、という立場もあるかもしれない。そして次のドミナントG7は、ドがちらつくことでドミナント臭はかき消され、ポップ音楽が世に広めた「ドミナントなのにサブドミナント」僕らの宝石sus4コードになってる。しかも時折姿を現すミは、7thであるファと半音の緊張を生み出し、「ドミナントなのにサブドミナント」なのに、ある意味メジャー7thコードにもよく似た魅惑の響きなんだぜ!
その後本物のメジャー7thコードCM7がやってきて、ああ大好きなこの曲なんだとひと息ついた途端に、僕はカクーンときた。要するに、がっかりしたんです。なぜかって、演奏が次のDm9に向かってツーファイブを始めたからだ。Em7のサウンドが聴こえてきたってこと。
いやもちろんそれは、僕だってよく使ってしまう常套手段のひとつですよ。でも少なくとも僕の知ってるこの曲の素敵は、ここでこんなふうにすること。
Dm9 G7sus4 CM7 Bb A7
違いはもちろん、2列分右に移動する4小節目のBbコード、ハ長調だけどシbが現れて僕らの頭を揺さぶるのだ。コーヒー屋に流れたバージョンのアレンジャーだって、聴いたことがあると思う。すくなくとも僕が知ってる複数の演奏では、やはりここではシbが登場する。この後に続く部分への、布石になっていたりもするからだ。
もちろんオリジナルを正確に再現することが必ずしも素敵なカバーとは限らないが、僕も単にツッコミを入れるだけで駄目野党のようになってしまうのを避けるため、何か別の工夫の仕方はないものかと考えてみた。で、これ。どうせならもう一列、右にいっちゃおうというもの。
Dm9 G7sus4 CM7 Eb A7
Ebはメジャー7thコードにしてもよい、というか、構造上そういう香りがしちゃうと思う。
一般にこうして、右の列へと移動が大きくなるほどサウンドの変化は大きくなるけど、やはり過ぎたるは及ばざるが如し。化粧はちょっと薄めがいい。オリジナルの素敵さを再認識しつつ、朝食は終わって、本格的に今日が始まる時間になります。