はじめての音楽史
書評って内容じゃないけどさ、
- 作者: 片桐功,三浦裕子,塚原康子,岸啓子,長野俊樹,高橋美都,茂手木潔子,須貝静直,楢崎洋子,久保田慶一,白石美雪
- 出版社/メーカー: 音楽之友社
- 発売日: 1996/10/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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は、なんだか学校の教科書のような装丁だけど、実に面白い。
サブタイトルの「古代ギリシアの音楽から日本の現代音楽まで」が、その内容を一言で物語る。音組織に対する認識の形成っていうか、楽典的な部分も含めて、時系列でコンパクトに書かれてるってのは素敵。もちろん底に流れる歴史のストーリーはドキドキである。ああ、なんて楽しいんだろう音楽史。気に入った一節を例によって引用。現代の最後のところね。
特に60年代の後半からは、国名や年代の記述が錯綜した。というのも、この時期は、20世紀前半のように主流があって支流があるというのではなく、多くの支流が交差しながら進んでいるような状況を呈したからである。(中略)さらにマルチメディアの発達がこの傾向を加速した。そのくり返しはひとつの美的理念によって様式が決定されてきた前衛の歴史とは異なり、果てしなく音楽を細分化していく。どれが主流でも傍流でもない。いわば<小さな音楽>がひたすら併存していくのである。
そうだよそうだよ、併存なんだよ。高度情報化社会なんだよ、死語だけどさ。
僕もネットの片隅で、ひっそりとやっていこうと思う。
あ、あとね日本音楽史も勉強しなきゃなと。これ読んで。現代五線譜的な視点というか楽典的なというか、そういう詳細な研究や文献てあんまりナイものなのかしら。小泉文夫とか、ちょっとしか見たことないけど、いまいちふわふわしてるっつうか。要するにあれなんですよね、東川清一氏が指摘してるように「旋法」と「調」の概念ってのが、そもそもしっかり定義というか共有されてないんですよね、日本音楽だけじゃなくて世の中全部。
ところでクセナキスも来ちゃいましたよ、ついに…
もうね、なんていうかパラパラめくった瞬間に「要らんかったかも」と、あはは。また別の機会に書きますね。