A Happy New Year
さて今日は、「オキシスタジオのジングル祭り」とのコラボ企画として、「私をスキーに連れてって」の挿入歌であるところの、"A Happy New Year"をとりあげてみよう。
- アーティスト: 松任谷由実
- 出版社/メーカー: EMI Records Japan
- 発売日: 1999/02/24
- メディア: CD
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この曲は、主人公の矢野が「5時間かけてフラれにいく」万座から志賀への雪降る夜道で流れているアレである。
実際に走ってみればわかることだが、万座から志賀まで夜の雪道をドライブなんて、到底やる気にならないくらい遠いし寒いし、暗いし怖いし、面倒くさい。しかしながらユーミンの不思議なマジックで、このシーンは映画のひとつのハイライトといってもいいほどの素敵さを醸し出してしまう。
暗い闇につつまれた白い雪山をヘッドライトで照らして走ることは、いつしか僕の憧れになってしまった。しかし実際のそこには音がない。あるのは雪と夜の空だけで、つめたく凍りついた空気は、未来や過去でなく、いまの瞬間だけを切りとるのだ。
出だしはあの魔法の、半音の緊張を内包するマイナーナインスからである。実際のキーよりも半音低く採ってみる。
Dm9 Bb7(#11) ドレ ミレラレ ミファレ
Am7(11) % ミ レドソド レミド
胸にグッとくる変化は、Bb7(#11)のところである。ミが心に刻まれたまま、シbとラbが鳴る。
最近こういう見方をしないので、つい大雑把な言い方になってしまうのだが、ハ長調/イ短調からみたサブドミナントマイナー的な、メロディックマイナーの転回コード*1である。要するに、こりゃFmM7だと思えばいいだろと。ジャズ屋にいわせれば、そういうことになるだろう。
実際のところそれで、演奏上も解釈上も、特に何の不自由もなかろう。が、もうこの文脈ではボトムが何であろうと、要するにミとラbが鳴ってればよいので、実はAbM7(#5)あたりでも*2格好いい。パット・メセニーなんかがよく使う感じの、オーギュメントなのにメジャーセブンスだ!
さて、無理矢理コラボしてみたので、話にオチがないことが、たったいま判明しました。
あーあ。まいったな。もう無理はやめよう。今年はいつ、山にいけるだろう。
*1:我ながら不粋な言い方だと思う