愛人
メロディック・マイナー上行形について、ちょっと考えてみました。
ってほどのモノじゃないんですけど、ペンタトニックの筒がこだわる「時間軸」という立場から、すこし光をあててみようかなと。
「事件は現場で起きている」わけで、やっぱり共有できる具体例が必要だよな、と記憶の引き出しを探ってみたら、いちばん最初に出てきたのがテレサ・テンの「愛人」。あはは、このあたりにどうしても、自分のルーツを感じざるを得ないですね。
これってキーはGmだと思うんですけど、ほらサビ前とか、あちこちで出てくるキメの部分ありますよね。こんなの。
・・・レシラソレミミミファ#ーーーー
メロディック・マイナーのメロディで、ト短調ですが、ミは半音上がりのナチュラルですね。
で、コレの場合ってばあまりにも明快なんですけど、こんな感じのコードがふられてるわけじゃないですか。
・・・レシラソレミミミファ#ーーーー Gm7 Am7 D
要するにこういうことだと。つまり、メロディック・マイナー上行形ってのは、
ラシドレミファ#ソ#ラ
と時間軸に沿って上行していくときに、ファ#のところはD(ペンタトニック)、ソ#のところはE(ペンタトニック)、てな感じで、実は和声が変化している(列が移動している)と思う方が、体系化を目標とすれば合理的なのではないかと。
もっと単純な例だと、例えばこんなのでも同じだと思うんです。
ドシラソファミレド
ファのところは、その瞬間の和声としては、実はF(ペンタトニック)であり、サブドミナントであると。
音と時間の二次元で構成される音楽を、時間軸に沿って光をあて、一次元へと写像してしまったのが「スケール」であるとすれば、ペンタトニックの筒では、時間軸に沿った「輪切りの音群」とその変化とに着目したい。その基本単位として、「ペンタトニック」に着目したい。
こんなところが、僕のアタマのあちこちに断片的に転がっていますが、やっとこさ寒くなってきて、何やら忙しくて何もかも面倒な今日この頃です。