自由
ジョアン・ジルベルトいってきました。
いやー楽しかった。しかしね、行った方もたくさんいらっしゃると思うんですが、すべてが驚きというか期待通りというか、なかなかとっても変わった感じでしたよ。
まず会場に時間ぴったりに着いたら、いきなり開場が遅れてる(笑)。「会場の準備がまだ…」とか係のひとが誤魔化そうとしてたけど、もう全然「アーティストが到着しておりません」なの。で、国際フォーラムの前には黒山のひとだかり。この時点で既に反省しましたね、自分の生きてるペースを。
で「ロビーでお待ち下さい」とかいって、やっとこさ中に入れたはいいけど、やたらに暑いと思ったら「アーティストの希望により」エアコンが全然まわってないし、当然開演も遅れまくってるんだけど、運営側も彼のペースがよくわからないのか「ブー」とか開演のブザー何度も鳴らしてみたりとか、暗転してからも延々待たされて、急かすように拍手しだす奴もいるし、もう大変。
よく考えると謎だらけですよ。そもそも今日の編成とかもわかんないしさ(「ソロ」とはどこにも明言されてない)。本当に東京に来てるのか?とか(壮大なドッキリかと)。本人がギターもってトコトコ歩いて来たときには、もう会場一致の大喝采。いやー感動した。来てくれてよかった!
しかしそのギターとうたはスゲー、ほんとに感動した。世界の宝です。(一見)ゆったりした動きで刻まれる切れ味鋭いストロークのうえから、凄いリズムのうたがドカンドカン飛んでくる。うおおおおっ、どうしてこんなに立体的なんだ!もう泣いてしまいそうだ。もちろん初めて観るから、コンディションがどうとか、そういうのわかんないんだけど、そんなことどうでもいい。
よくひとの演奏なんかみるとね、「俺だったらこうする」みたいのって結構あるんですけど、今日はもう全然ナイ。ただただ、いまの彼のあり方を受け入れるのみ。飛んでくる全てを浴びるように、ただただ、そこにいる。
とまあえらく感動につつまれた時間を過ごしてるんだけど、それがまた長い(笑)。エアコンも効いてない。もう途中から数えてないけど、30曲近くやったんじゃないかしら。一度引っ込んで拍手でまた出て来た(あれはアンコールだったのか?)後にも、延々とやってた。その後近所でビール飲めるところ探すの大変だったくらい、終わったのもえらい遅かった。でもよかった。
「自由とは何か」ということを、根本的に考えてしまう、僕にとって素敵なコンサートでした。音楽の自由と(とくにリズムね)、人生の自由と(とくにテンポね)。
ところで写真は、国際フォーラムにいた変な牛です。携帯で撮影。